チュートリアル 5:
toggle と comment

toggle

オブジェクト・パレットの中の 'X' が中にあるボックスが toggle です。これは0 および 非0 の2つの状態を表わすインジケーター、またはその切り替えのためのスイッチとして動作します。

・数値が書かれている様々なメッセージ・ボックスをクリックして、toggle と ナンバーボックスに何が起こるかに注意して下さい。

toggle オブジェクトはインレットで数値、あるいは bang を受信することができます。 数値が 0 以外の場合、 toggle は X を示して数値を送信します。 数値が0の場合、ボックスは空白になりアウトレットから 0 が送信されます。 toggle は int を受信することを前提としているため、float を受信するとそれを int に変換します。したがって、数値 0.9 は toggle によって 0 と解釈されます。

toggle は、マウスでクリックされたり、インレットで bang メッセージを受信する毎に、値 10 を交互に送信します。 bang を受信するか、マウスクリックされると、toggle はステート(状態)を逆にして新しい値を送信します。 この0と非0の区別は、Max がオンとオフの切り替えや、真と偽を識別するために使う方法です。

・このように、オン/オフを切り替えるスイッチとして toggle を使うことができます。サンプルパッチでは toggle をクリックして metro オブジェクトのオン/オフを切り替えることができます。 確かめてみて下さい。 これが動作するのは、 metro が(1のような)0以外の数値を受信するとスタートし、0を受信するとストップするためです。

comment

パレットの中でメッセージボックスの右隣にある点線で描かれたボックスが comment です。

comment はプログラムの動作には関与しません。 単にパッチャーウィンドウにテキストを置くための手段です。comment を使う主な理由は次のようなものです。

  1. 「オン/オフ・スイッチ」のように、パッチ内のオブジェクトにラベルをつける場合。
  2. 「ここをクリック」というように、ユーザーに指示を与える場合。
  3. プログラムの動作方法、あるいはプログラムでの特定のアイテムがどのように機能するかを説明する場合。これは単にユーザーの助けになるだけでなく、プログラマであるあなたにとっても非常に役に立つものです。 作成したプログラムの動作に関しては、驚くほどすぐに忘れてしまうものです。プログラムを作るときには、説明のために comment を数多くつけ加えておく習慣を身につけて下さい。

comment ボックス(あるいは、他のほとんどのオブジェクト)は、ボックスの右下隅にあるグロウ・バー(grow bar)をドラッグしてサイズを変更することができます。

・また comment (あるいは、他のオブジェクト)内のテキストサイズを変更することもできます。 comment ボックスをクリックして選択し、Fontメニューから別のフォント、またはサイズを選択します。"This is a comment"と書かれている comment のフォントとサイズを変更してみて下さい。

オブジェクトを選択していない状態でフォントを指定すると、それ以後アクティブなウィンドウで作成する新しいオブジェクトに対するフォントが設定されます。 Max ウィンドウが前面にある状態でフォントを指定すると、それ以後作成するすべての新しいパッチに対するフォントが設定されます。 Max はこれらのフォントを Max のPreferences ファイルに格納し、Max を使用する毎にそれらを適用します。

まとめ

toggle は数値 1 と 0 を生成して、他の(例えば metro のような)オブジェクトの オンとオフの切り替えに使うことができます。また、通過した一番新しい数値が 0か非 0 かを報告するインジケータとして使用することもできます(ただし、この場合に渡されたfloat は int に変換されます)。comment は何の動作もしませんが、 パッチャーウィンドウ にテキストを置くために有用なオブジェクトです。

参照

comment パッチに説明のためのメモやラベルを置きます。
led カラーでオン/オフの状態を表示します。
Togedge 0 /非0の変化を報告します。
toggle オン/オフ(1と0)の間を切り替えます。
ubutton bang を送信する透明なボタン 。