チュートリアル 4:
metroの使用

オブジェクト名とアーギュメント

この章では、メトロノームとして動作する metro と呼ばれる新しいオブジェクトを紹介します。 オブジェクトボックスの metro という語の後に数値が書き込んであることに気づくでしょう。 これはメトロノームの刻みの間隔を表すミリ秒単位の値です。

metro という語の後の数値は アーギュメントと呼ばれます。 これまでに、print オブジェクトに名前をつけるためにアーギュメントが 使用されることを見てきました。 一般的に、アーギュメントはオブジェクトが動作するために必要な情報を与えるものです。

いくつかのオブジェクトでは動作するためにアーギュメントの書き込みを必要としますが、より一般的には、アーギュメントはオプションで、何らかの初期値を与えるものです。metro の場合では、メトロノームのスピードの初期値を決定します。metro は、スタートするとメトロノームが停止されるまで bang メッセージを nミリ秒ごとに送信します( n はアーギュメントです)。アーギュメント が書き込まれていない場合、metro にはデフォルト値として5が設定されているため、5 ミリ秒ごとに bang を送信します。

metro オブジェクトは2つのインレットを持っています。 左インレットで受信したメッセージはメトロノームをスタートあるいはストップすることができます。左インレットに0以外の数値を受信するとメトロノームがスタートし、0を受信するとストップします。また、その代わりに bang メッセージを送信してスタートさせ、 stop を送信してストップさせることができます。右インレットで受信した数値は、最初にアーギュメントによって設定された bang の出力間隔を表すミリ秒単位の数値を変更します。

metro オブジェクトのオンとオフを切り替え、 Max ウィンドウに出力される内容を見て下さい。

metro オブジェクトの右インレットに様々な数値を送ってみて、メッセージが出力されていくスピードの変化に注意して下さい。メトロノームが動作している間でもスピードを変更することができますが、次の bang メッセージが送信されるまで変更は効力を発しません。

metrobang メッセージを送信するため、他のオブジェクトを指定のスピードで繰り返しトリガすることができる有用なオブジェクトです。

まとめ

オブジェクト・ボックスに名前を書き込んだ後、オブジェクト名の後にアーギュメントを書き込んで追加の情報を与えることができます。通常、アーギュメントはオプションですが、一部のオブジェクトは必須のアーギュメントを持ちます。オプションのアーギュメントが書き込まれない場合、通常、Max はデフォルトの値を供給します。

metro オブジェクトは、停止されるまで一定間隔で bang メッセージを繰り返し送信します。 bang メッセージ間のミリ秒の数値は、アーギュメントによって、あるいは右インレットで受信した数値によって指定されます。

参照

metro 一定の間隔で bang メッセージを送信します。