チュートリアル 3:
数値について

int, float, list

これまで、メッセージはテキストを含むことができるということを見てきました。そして bang のようないくつかの語が特定のオブジェクトに対して特別な意味を持つことを見てきました。 一般、にメッセージは1つあるいは複数の数値から構成されます。

Max は整数と小数(小数点以下をもった数)を区別します。 整数はMax によって int と呼ばれるデータ型として格納されます。そして小数は float と呼ばれるデータ型として格納されます。

多くの場合、数値の格納が行なわれる方法の違いについては、実際に気にかける必要はないでしょう。それは、Max がその処理を扱ってくれるためであり、必要な場合には、int を float にあるいはその逆に変換してくれさえします。(例えば int の受信を期待するオブジェクトによってfloat が受信されたような場合)。主として知っておく必要があるのは float が int に変換される場合、その小数点以下の部分は四捨五入されずに切り捨てられるということです。例えば数値6.799997ではなく6になります。

またメッセージはスペースで区切られた複数の数値から構成することもでき、それらはすべていっしょに送信されます。これをリスト(list )といいます。リストは int 、float の両方を含むことができます。 チュートリアルの後の章ではこのリストが登場します。

ナンバーボックス( Number box )

パッチャーウィンドウで数値を表示させたい場合には、ナンバーボックス ( Number box )を使います。 オブジェクト・パレットの中には2つのナンバーボックスのアイコンがあり、1つは int もう1つは float を表示するためのものです。

ナンバーボックスのインレットで受信した数値は、表示され、アウトレットから渡されます。これはパッチコードを通過した一番新しい数値を見るための、”傍受”のような使い方ができる効果的なオブジェクトです。

・様々なメッセージボックスをクリックして、ナンバーボックス・オブジェクトと Max ウィンドウに何が表示されるかに注目して下さい。

print オブジェクトによってメッセージをMax ウィンドウに出力することと、ナンバーボックスで数値を表示することの間の重要な違いに注意して下さい。

  1. print オブジェクトはメッセージの内容にかかわらず、受信するメッセージをMax ウィンドウに表示します。一方 ナンバーボックス は一回に1つだけの数値を表示することができ、リストを受け取った場合には、その最初の数値だけを表示し(そして渡し)ます。 任意のテキスト・メッセージを受信した場合、( Max ウィンドウ に)そのメッセージは理解できないと不平を言うだけで何の動作もしません。
  2. ナンバーボックス は int あるいは float だけを表示することができます。 int の ナンバーボックス が float を受信した場合、数値は int に変換されます。その逆もまた同様です。

ナンバーボックスは、ここでは述べられていないような他の機能を持っていますが、このパッチでは、パッチコードを通過した一番新しい数値を表示するという、最も一般的な使い方を紹介しています。 チュートリアルの 「ナンバーボックス」では、ナンバーボックスについてより詳しく学びます。

まとめ

Max メッセージは1つの数値で構成することができ、これは int 型(整数)でも float 型(小数)でも構いません。Max で使われる数値の大部分は int (例えば、MIDI データやミリ秒で表される時間の値)です。またメッセージはスペースで区切られた数値のリストで構成することもできます。リストは1つのメッセージとして、すべて一緒に送信されます。ナンバーボックスは最も新しく受信した数値を表示し、アウトレットからその数値を送信します。 ナンバーボックス は int 型あるいは float 型のどちらかであり、数値を所定の型に変換します。

参照

ナンバーボックス
( Number box)

数値を表示し、送信します。