句読法:
オブジェクトやメッセージ内での特殊文字の取り扱い

オブジェクトボックス内での句読法

Max では、オブジェクトやメッセージに含まれるアルファベット以外の文字は、多くの場合、特別な意味を持ったものとして扱われます。

オブジェクト名自身の中で、数学演算子、関係演算子、ビット演算子による数値演算を意味するものとして様々な文字が使用されています。このようなオブジェクト名には、+ - */ %(数学演算子)、<<===!= >= > && ||(関係演算子)、&|<< >>(ビット演算子)があります。より詳しい情報は、Objects セクションの最後にある、これらのオブジェクトに関する記述を参照して下さい。

ドル記号( $ )とパウンド記号( # )は、オブジェクトボックスの中の可変アーギュメントを表すものとして使用されます。可変アーギュメントはインレットから( $ の場合)または、そのオブジェクトを含むパッチへのタイプインアーギュメントによって( # の場合)与えられた値に置き換えられます。「アーギュメント」という章には、オブジェクトボックス内での $ と # に関する詳しい情報があります。

セミコロン( ; )は、メッセージの終わりを意味し、オブジェクトボックスでは使用できません。セミコロンはまた、comment オブジェクトでキャリッジリターンを強制する方法でもあります(2バイト文字互換モード(two-byte compatible mode)を除きます)。

セミコロンは テキストファイルの行の最後を示します。これには、collmtrseq オブジェクトの内容や、lib オブジェクトのためのスクリプトを保存したテキストファイルも含まれます。

カンマ( , )は通常、オブジェクトボックスでの使用を避けなければならないもう1つの文字ですが、expr や if オブジェクトの中では使用でき、下の例のように、数学関数の中の項目を区切るために使用します。オブジェクトボックス内でカンマを使う場合、必ず前にバックスラッシュ(\)をつけなければならないことを覚えておいて下さい。そうすれば、Max は特別な文字として解釈しようとしなくなります。

特殊文字を使用したいが、Max に特殊文字として解釈して欲しくない場合には、バックスラッシュを使って下さい。上の例では、カンマは pow 関数のアーギュメント(引数)を区切るために必要です。

メッセージボックス内での句読法

ドル記号は、メッセージボックスの中の可変アーギュメントを表すものとして使用されます。メッセージボックスに $ と数字(例:$2)がある場合、アーギュメントの中の1つを表し、受信したメッセージの中の対応するアーギュメント(訳注:$2 の場合は、2 番目のアーギュメントを表します)によって置き換えられます。この置き換えは、メッセージボックスからのメッセージの出力の前に行なわれます。

メッセージボックスの中で、パウンド記号に数字を続けたもの(例:#2)は、オブジェクトボックスのアーギュメントと同じ意味を持ちます。# アーギュメントを持つパッチが、他のパッチャーの中でサブパッチとして使用されている場合、# アーギュメントは、メインパッチャーでそのサブパッチを表すオブジェクトボックスの中にタイプされた、対応するアーギュメントによって置き換えられます。実際の例は「アーギュメント」という章を参照して下さい。

メッセージボックスの中でのカンマ( , )は、メッセージを分け、それを連続して送信するために使用されます。カンマは、メッセージの終わり、そして次のメッセージの始まりを表します。

上の例では、左の メッセージボックスは1つのメッセージ 60 64 1 をリストとして送信します。右の メッセージボックスは、144、60、64 という3つのメッセージを、別々にこの順序で送信します。

メッセージボックス内でのセミコロン( ; )は、receive オブジェクトに遠隔的にメッセージを送信する場合に使用します。メッセージボックスの中にセミコロンがある場合、セミコロンの後の最初の項目は receive オブジェクトの名前を示すためのシンボルです。そして、メッセージの残り(または、次のセミコロンの前まで)は、メッセージボックスのアウトレットではなく、指定された名前を持つすべての receive オブジェクトに送信されます。

オブジェクトボックスの中での場合と同様に、メッセージの中のバックスラッシュ( \)は、そのすぐあとに続く特殊文字のもつ特別な機能を無効にします。

0x と数字、文字(訳注:16進数で使われる 'A' 〜 'F')を組み合わせると、オブジェクトやメッセージボックスに 16進数表記による数値の入力ができるようになります。(MIDI バイトを16進数で考える場合に役に立ちます)。例えば、メッセージ 0x9F 0x3C 0x40 は、159 60 64 というメッセージと同じです。

参照

アーギュメント オブジェクトの可変アーギュメント $ および #